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人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

人間とAIの関係:AIは脳の外付け記憶装置の進歩

2019年01月26日 11時52分00秒 | 社会
人間とAIの関係:AIは脳の外付け記憶装置の進歩
 AIの進歩で大失業時代が来るなどという意見があったりします。
工場でもオフィスでも、人間がやるよりAIのほうがずっと効率が上がるという事で、人間の仕事がなくなり、大失業時代が来るなどという将来予測です。

 でも、本当にそうなるでしょうか。これまでも科学技術はどんどん進化し、人間がやっていたことが機械に置き換えられてきていますが、人手不足は深刻です。
 いや、今迄のメカトロニクスとAIは違う、AIは人工知能で、本当に人間の代わりが出来るだけではなく、人間以上に役に立つからだ、という事のようです。

 でも本当に人間のやる仕事はなくなるのでしょうか?私はそんなことはないと思っています。
 理由は、人間(あるいは生物すベて)の存在の所以(ゆえん)とAIの存在の意味・意義(あるいは役割)が全く違うからです。

 人間は、脳が他の生物に比べて異常に進化しているために、生物本来の目的である本能の領域を越えて、多様な欲求を持つようになりました。
 人間以外の動物は(植物も)自分自身が確り生きることと子孫を残す事しかしていません。
 
 自分自身が確り生きることも、子孫を残すために必要なことですから、つまるところ生きている目的は「種の保存」に収斂していきます。
 多くの解説では、「子孫を残すためにこうしています」と人の気持ちになぞらえて説明していますが、それは単に結果で、種の保存をしない生物は生き残らないので、結果的にいまある生物だけが存在しているという事でしょう。

 人間もそうして生き残った結果の存在ですから、基本的には同じ事をやって来たのです。
 しかし人間の脳は異常に発達して、知識の蓄積が出来、本能を意思と感じる機能を持っていますから、種の保存のために多様なことをやるようになったのではないでしょうか。

 人間のそうした能力が、本能を意思として、個体自身の確りした生活、種の保存を一層確実なものにすることに、進化した脳を使うことになっているのでしょう。
 脳に知識を蓄積することによって、人間は地上最強の存在になって、「いわゆる」生存競争に勝ち残っています。

 ところでAIです、AIとは何でしょうか。AIは種の保存には直接関係ありません。勿論種の保存の本能はありません。しかし、間接的には大きな役割を果たします。
 もともとは蓄積して知識や技術を使うことで、個体の生存期間も延伸でき(医療など)生殖期間も長期化、個体の競争力を強めるために、経済活動を活発化し、豊かさが個人的にも社会的にも有利な種の保存環境を可能にします。

 電卓も疾うに人間の計算能力を超えました。私も経済成長や金利計算で累乗根を使って計算し説明をしますが、電卓なしには不可能です。
電卓が電子計算機になり、パソコンになり、スマホも出来て、何十人、何百人の顔を一瞬にして指定識別したり、膨大な過去の記録の中から、必要なものを即座に表示したり、マネーゲームを他人より早く確実にやったり、人間の推論より確実な推論をやったり(碁将棋など)人間より頼りになるなどと言われたりします。

 人間は、忘れたり、うっかりしたりしますが、AIは記録したものは忘れません、電子のスピードで確実にすべてを検索します。
 目的を明確に指示すれば、可能な限りその答えを探します。そしてその可能性はAI技術の進歩とともに人間にはとても出来ない所まで行くのでしょう。

 それなら人間のやることがどんどん減るではないかという見方もあるかもしれません。しかし、個体の確実な生存、種の保存の本能(意識)を持っているのは人間で、人間は家族を創り社会を創り、国を作って生存競争をする存在です。

 競争社会では、人間は(競争に勝って)種の保存により良く成功するために常に努力します。単なる種ではなく、それは家族、国にまで拡張されます。
 結果的に、原始の種の保存の本能と言われるものは宇宙空間にまでその競争の範囲を拡大し、食糧生産においても自然の生殖(再生産)能力を知識・技術を活用して拡大し、個体においては、医療、介護、メンタルヘルスの医学的、技術的、進歩を要求し、健康寿命の延伸にAIの活用を目指し、どこまでも限りなく進むのでしょう。

 そのためにやらなければならないことは無限にでてくるのでしょう。人間のやることは増えこそすれ減ることはないのでは、と考えていますがどうなのでしょうか。

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